終身保険の考え方
終身保険と一言で言っても保険会社によって内容は微妙に異なります。例えば「普通」の終身保険や、「投資」も含めた変額終身保険などです。
まずは自分が終身保険に「何を求めるのか?」を考えましょう。
終身保険の意味を知る
終身保険の終身とは一生涯という意味ですが、言い方を変えると「被保険者が亡くなるまでの死亡保障」ということになります。
では、あなたがこの終身保険に加入するとして、一生涯を通して必要とする保障額とはいったいいくらか考えたことがあるでしょうか?
この金額は若いときでも老いたときでも同じ金額です。つまり、いつ死んでも絶対に必要とする金額のことです。
これを考える上で欠かせないものに、葬儀費用などがあります。例えば最低でも300万円くらいが必要で、お墓の準備をしなければならない人では500万円以上は必要だと言われています。
もちろんこの考え方も大切ですが、ここであなたにお伝えしたいのは、もっと将来を見据えた考え方です。その前に終身保険の種類を見ていきましょう。
終身保険の種類を知る
現在販売されている終身保険には「終身保険」・「積立利率変動型終身保険」・「変額終身保険」などの種類があります。
▼終身保険(普通終身保険)
オーソドックスな終身保険です。利率が定額なので、契約時点で解約返戻金(解約して時点で戻ってくるお金)が決定されます。つまり10年後20年後などの貯まっている金額が判ります。
以前の利率の良い頃は活発に販売されていましたので、契約中の方や以前加入されたことのある方もいるかと思います。現在は外資系を除き、日本の保険会社はあまり販売に力を入れていません。ここで注意していただきたいのは、主に大手生保が販売していた「○年ごと利差配当付き終身保険」という保険商品です。
この保険、本来は普通の終身保険なのですが、高額の定期保険を特約として付加して販売してきたため、定期付終身保険の形で契約されている方が圧倒的に多いのです。例えば、終身保険200万円(主契約)定期保険2800万円(特約)、あわせて3000万円などのような契約形態です。
契約者はこの保険を終身保険と勘違いして契約しています。つまり終身部分は例のように薄く(200万円)、そのほとんどは掛捨て(2800万円)の定期保険となっている場合がほとんどですから、この保険に加入している方は今すぐ保険証券を引っ張り出して確認してください。特に一生3000万円などの大きな保障があると思っている方は絶対に確認してください。
▼積立利率変動型終身保険
積立利率変動型というのは、簡単に言うと保険金額と解約返戻金が変動(変化)することを指します。そして、保障利率というのがあって(例:2.5%など)、その利率は必ず保障されます(保険会社によって保障利率は違います)。また、契約時点で最低利率での解約返戻金額が確認できます。
また利率変動によって、死亡保障額もそれに連動して増減しますが、契約時の保障額を下回ることはありません。ただし高利率によっての保障額の上限はありません。つまり、高利率で推移した場合は保障額も割り増しされます。
この保険を販売している会社は少数ですが、ある保険会社では「積立利率変動型終身保険」という名前で、まったく内容の異なる保険を販売している会社もありますから注意してください。
▼変額終身保険
変額終身保険とは、積立利率変動型終身保険よりも投資性の高い保険です。保険料の大半が国債・株などに投資されて、解約返戻金を利殖していきます。契約時点では解約返戻金の予測はできません。また積立利率変動型終身保険と同様に最低保障額があるので、死亡保険金額が契約時の金額を下回ることはありません。
この保険は主に国内生保数社と外資系が販売していますが、今のところ国内大手生保は販売していません。
保険料は高い順に、「終身保険」>「積立利率変動型終身保険」>「変額終身保険」となっています。
これからは物価の変動を考える
物価の変動とは「お金の価値の変動」です。例えば今から50年前の100万円と現在の100万円とでは、お金の価値が全然違います。仮にあなたが50年前に100万円の終身保険に加入していたとして、現在も100万円では安心できないと思います。
このように、お金の価値は間違いなく変動していきます。現在のところ、その変動に連動しているのが、「積立利率変動型終身保険」と「変額終身保険」です。つまりこれらの保険は物価に連動していますから、将来のインフレにも対応しているのです。
仮にあなたが今現在100万円の変額終身保険に加入したとしたら、将来は現在の価値で1000万円の保険になるかもしれないのです。これから保障とインフレリスクを考えて終身保険を選ぶなら間違いなく、「積立利率変動型終身保険」か「変額終身保険」です。
過去の変額保険事件と現在の変額保険は違う
バブル期に「変額保険事件」が多発しました。この事件は保険会社と銀行が手を組んで、高騰した土地の固定資産税に苦しむ土地所有者に対して変額保険を販売したことを発端に、その後のバブル崩壊などで自殺者までも出した忌まわしい事件です。
詳細についてここでは触れませんが、この事件を知っている方は変額終身保険と聞いただけで良いイメージが湧かないようです。しかし、現在販売されている変額保険は当時のような意味合いでの契約は特別な場合を除いて無くなっています。あくまでも契約者の将来を考えた保険ですので、むしろ安心していいと思います。
終身保険があなたの未来を救う
冒頭の「終身保険の意味を知る」での内容を深彫りしてお話します。一生涯の必要な保障額の代表的なものに「葬儀費用」があると言いましたが、この考え方自体は間違いではありませんが、私なりの見解で終身保険についてお話します。
結論から言うと、終身保険はできるだけ大きく加入してください。「でも、それは理想では?」という声が聞こえてきそうですが、その理由として一例をお話します。
それは、終身保険で老後に備えていただきたいのです。終身保険の機能は死亡保障だけではなく「解約返戻金」があります。この解約返戻金はあなたの老後の大切な資産のひとつとなります。これからの将来、つまり老後は現在よりももっとお金のかかることが予想されます。いや予想というよりも「確定」と言ったほうがいいかもしれません。
このような将来であるにもかかわらず、まともな老後資金が無ければ、もやは生きながらにして苦難の老後を送らなくてはならないのです。おそらく日本という国は今後ますます増税を課し、当てにしている年金の給付も不透明で、医療費は高騰、老人施設の入居もままならない状態が想像されます。
そしてそのような状態のあなたを守ってくれるのが家族です。しかし、ハッキリ言いますがお金の無い老人にはいくら家族でも献身的な世話は出来ないでしょう。疎ましく思われ、挙句の果てには「早くあの世へ・・・」などと陰口を言われる始末。これではあまりにも惨めです。
そんな時の頼みの綱が「終身保険」です。これは有効であると考えます。なぜなら家族に「資産」を提示するのと同じですから、家族の対応が悪くなるはずがありません(笑)。もちろん自分や家族のために解約返戻金を利用するのもいいですし、将来保険金として家族に残すのもいいでしょうつまり使い勝手がいいのが終身保険です。
少し極端な例えでしたが、まったく可能性が無い話でもありません。むしろこのような将来(老後)を想定して終身保険を考えるべきです。ですから、あなたの将来(老後)のために、できるだけ厚い保障の終身保険に加入しておくことをお勧めするのです。そして例え話のような老後でなかったら、それはそれで解約返戻金で老後をエンジョイするのもいいのではないでしょうか?私はそう思います。